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2017/12/25(Mon) 05:13
最高のプレゼント
僕は中学生になる前まで、サンタクロースの存在を信じていました。
子供の頃、家は貧しくて母さんはスナック、父親は工事現場で泊まり込みの日常。
僕と妹はクリスマスを家族で祝った事がありません。
でも、サンタクロースは毎年必ず来てくれて、枕元にプレゼントを置いてくれました。
それも毎年必ず決まっていて、それはボール紙の長靴に入ったお菓子の詰め合わせでした。
多分、500円位のプレゼントが嬉しくて、妹と中身のお菓子を取り替えあったりしました。
疑問点がありました。
友達に聞くと、プレゼントに大きな差がある事です。
ファミコンが貰える子もいれば、何も貰えない子もいる。
両親に話すと、親父に提案されました。
「欲しいものを手紙に書いて、ポストに入れておけ」
翌年のクリスマス前に、妹と一緒に書いた手紙をポストに入れました。
封筒がポストから無くなり、これで願いは叶うと思いきや、叶ったのは妹だけで、僕はいつもと同じ長靴でした。
でも、不満はありません。
何故なら、サンタクロースの正体を見てしまったからです。
彼は玄関の鍵を開けて家に入り、僕らの枕元にプレゼントを置いた後、流し台の蛇口から直に水を飲み、泥だらけの作業服で出て行きました。
親父は小さな水道工務店を営んでいましたが、経営が苦しくて、職人を増やす代わりに自分の身を削って働いていました。
妹のリクエストに応えるだけでも、経済的に大変だったと思います。
僕は長靴だけでも貰えて良かったと思いました。
中学生になってから、休みの日は僕も工事現場に手伝いに行く様になりました。
クリスマスの夜は親父と泊まり込みでした。
数時間の仮眠中なのに、親父はどこかへ出かけて行きました。
多分、妹にプレゼントを届ける為でしょう。
妹も正体を知っていましたが、数日後に家へ帰っきた親父にサンタクロースが来た報告を一番にしました。
無口な親父は泡盛を呑みながら、嬉しそうに妹の話しに何度も頷いていました。
望んだものがその通りに手に入ったり、与えたりする事だけが幸せとは限らない。
ベストを尽くして相手を想えば気持ちは伝わるし、望んだ以上の幸せを得られる事。
僕は作業服のサンタクロースから教わりました。
それが僕の貰った、生涯色褪せる事の無い、
最高のクリスマスプレゼント…。
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